部会長挨拶

日本医療情報学会看護部会は、病院情報システム導入の初期の1980年代から活動を開始し、これまでに約30年の歴史を持ちます。その間、病院情報システムの設計・開発に関わる様々な課題解決に向けて活動を続けてきました。

かつて医療機関が独自に開発してきた病院情報システムも、現在はベンダーが開発した電子カルテを導入することが多くなり、「電子カルテは実現可能か」ということを議論していた時代から考えると隔世の感があります。

そのような時代の変化にともない、情報システムに求められる要望も変化してきました。使いやすさや安定稼働が優先された時代から、臨床の意思決定にいかに役立っているか、施設運営に役立つデータをいかに提示できるか、地域連携に必要な情報をどのように伝達できるか、情報活用に関するセキュリティやプライバシーをどのように確保するかといった情報活用に関する課題解決が求められる時代になってきたのです。また、近年では医療サービスの利用者である患者・家族など一般の人々へ向けて、情報を活用する基盤を提供することも求められています。

本看護部会もこれまでの知識や経験を基盤として、新たな役割を模索しています。看護情報に関わる人々には、医療機関などの看護情報担当者、臨床看護師、看護管理者、研究者、看護学生、また、医療機関の情報担当者、システム開発技術者、病院管理者、政策担当者、そして患者や家族と多岐にわたります。それらの多くの方々を対象として、システム導入プロセスの改善、ユーザ視点にたったユーザインターフェースの開発、効果的な情報伝達の方法、意思決定支援に役立つ情報利活用、求められる教育制度の提言、情報活用の評価研究、国際協力研究など幅広い分野で貢献をしていきたいと考えています。 これまで以上に皆様からのご支援、ご協力をよろしくお願いいたします。

2014年9月
国立看護大学校
部会長 柏木 公一